ここからは、皆さんが最も気になる「費用」について、具体的に掘り下げていきます。漠然とした「高い」というイメージを払拭し、現実的な資金計画を立てるための知識を身につけましょう。坪単価の相場から、予算別のシミュレーション、そしてコストを賢く抑える工夫まで、詳しく解説します。
坪単価の相場は?60万円〜100万円の価格差が生まれる理由
自然素材の家の坪単価は、一般的に60万円〜100万円程度が目安とされています。同じ自然素材の家でも、これほどの価格差が生まれるのはなぜでしょうか。主な理由は以下の通りです。
⚫︎素材のグレード
例えば、床材に国産の高級な無垢材を使うか、比較的安価なパイン材を使うかで価格は大きく変わります。
⚫︎施工範囲と方法
家全体を漆喰の塗り壁にするのか、アクセントとして一部だけにするのか。また、施工の難易度によっても職人の手間賃が変わります。
⚫︎依頼する会社
全国展開のハウスメーカーか、地域密着の工務店かによっても価格設定は異なります。
単に坪単価の安さだけで判断せず、どのような素材を使い、どのような施工をするのか、その中身をしっかりと確認することが重要です。
【予算3000万円でシミュレーション】本体工事費・諸費用・オプション費用の考え方
家づくりでよくある失敗が、「建物本体の費用しか考えていなかった」というケースです。例えば、予算が3,000万円の場合、そのすべてを建物の費用に充てられるわけではありません。総額は大きく分けて以下の3つで構成されます。
⚫︎本体工事費(総額の約70~80%)
建物そのものを建てるための費用です。予算3,000万円なら、約2,100万~2,400万円が目安となります。
⚫︎付帯工事費(総額の約15~20%)
古い家の解体、地盤改良、外構(庭や駐車場)、給排水管の引き込みなど、建物以外に必要な工事の費用です。
⚫︎諸費用(総額の約5~10%)
住宅ローンの手数料、登記費用、火災保険料、引っ越し代など、工事費以外にかかる様々な費用のことです。
自然素材の家を検討する際は、これらの費用をすべて含んだ「総額」で資金計画を立てることが、後悔しないための絶対条件です。
見落としがちな長期コスト|メンテナンス費用と光熱費
初期費用が高めな自然素材の家ですが、長期的な視点で見ると必ずしも「高い」とは言い切れません。
⚫︎光熱費
自然素材が持つ高い断熱性や調湿効果により、冷暖房の効率が良くなり、月々の光熱費を抑える効果が期待できます。
⚫︎メンテナンス費用
一般的な住宅で使われるビニールクロスは、10~15年で黄ばみや剥がれが目立ち、張替えが必要になるケースが多くあります。一方、漆喰や珪藻土の壁は耐久性が高く、全面的なリフォームの必要がほとんどありません。
このように、初期費用だけでなく、30年、50年と住み続ける間の「トータルコスト」で考えることが賢い選択と言えるでしょう。
費用を抑える4つの工夫|素材選び・デザイン・補助金活用
「やっぱり予算が厳しいかも…」と諦めるのはまだ早いです。少しの工夫で、コストを抑えながら自然素材の家を実現する方法はあります。
⚫︎素材にメリハリをつける
全てを最高級の素材にするのではなく、こだわりたい場所にコストを集中させましょう。例えば、「家族が一番長く過ごすLDKの床だけは無垢材にする」といった選択も賢い方法です。
⚫︎シンプルなデザインにする
凹凸の多い複雑な間取りは、材料も増え、施工の手間もかかります。できるだけシンプルな箱型のデザインにすると、コストを抑えることができます。
⚫︎施主支給やDIYを活用する
照明器具やカーテンレール、ポストなどを自分で購入して取り付けてもらう「施主支給」は、コストダウンに有効です。また、壁の一部を自分たちで塗装するなどのDIYに挑戦するのも良いでしょう。
⚫︎補助金制度を調べる
自治体によっては、地域材の使用を促進するための補助金制度を設けている場合があります。家を建てる地域の情報を確認してみましょう。